November 13, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.4)

ショスタコーヴィチ・交響曲4番/オーマンディ/フィラデルフィア管(SONY SB2K 62409)
今日の通勤CD

昨日のN響アワーで3楽章だけ聴いたので,なんとなく全曲を聴きたくなって選択。10番とのカップリング。
こちらの演奏もあまりヤバい感じはしないが,曲そのものが10番と違うのでかなりいい感じに聞こえる。感情的なものよりも感覚的なものというのか,主観ではなくて客観というのか。
重量感には乏しいがストレートに来る感じの金管とか,ショスタコっぽい冷たさのない弦とか,あれ?と思うところがあってもちゃんといい感じになるというのは,この曲がより純音楽的なものを目指していたという証拠なのだろうか。

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November 06, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.15)

ショスタコーヴィチ・交響曲15番/ケーゲル/ライプツィヒ放送響(WEITBLICK SSS0039-2)
今日の通勤CD

ダスビの練習も開始したので,マメに15番を聴くようにしている。なにしろまだ体に馴染んでいない気がしているのだ。イメージが固定するのもいけないのだが,その点はいろいろな演奏を聴くことでカバーするということで。
終楽章のクライマックスで「ロンドン(ハイドンの交響曲104番)」の冒頭が鳴り響く。同時に響き渡る弦楽器の動きは切なく苦しい。そして全てが終わるかのような打楽器の強打。諸説あるようだが,これはやはり「最後の交響曲」を意識していたんだろうと思わずにはいられない。自分としては今のところそういう解釈で行こうと思っている。
そして,最近のラストの解釈は「人は死んで無に還る。しかし時は淡々と流れ続ける」だ。終楽章で何度か現れるトリスタンの音型の後に出てくるヴァイオリンのテーマ。自分の人生の軌跡を愛おしく思っているような,懐かしむような暖かさを持ち,しかし現実的でないものに対する醒めた視線のような,そんなところからもそう考えている。

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July 03, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Vn協1,Vc協1)

ショスタコーヴィチ・ヴァイオリン協奏曲1番,チェロ協奏曲1番/オイストラフ(vn)/ミトロプーロス/ニューヨークフィル/ロストロポーヴィチ(vc)/オーマンディ/フィラデルフィア管(Sony MHK63327)
今日の通勤CD
ダスビの曲も決まったということで,ヴァイオリン協奏曲を聴きたくなり選択。
バックがアメリカのオケというのがちょっと意外だが,どちらも最初期の録音。ソ連のオケとばかり録音しているわけではないわけだ。
しかしさすがに初演者たちの演奏は素晴らしい。特にオイストラフはいつ聴いても惚れ惚れする。言葉にすると安っぽいが,冷たいが豊か,という相反すると思われる要素をもった,これ以上ない最適な音で演奏されている。ロストロポーヴィチもすごい。この尋常でないエネルギーにはそうそうお目にかかれないだろう。
こういうのを聴くと,目指すべきものの巨大さに圧倒されるが,少しでも実現できるよう努力したいともまた思う。

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June 27, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・SQ.8ほか)

ショスタコーヴィチ・弦楽四重奏曲8番,弦楽四重奏のためのエレジー,ベートーヴェン・弦楽四重奏のための大フーガ/ボロディン四重奏団(RUSSIAN DISC RDCD11087)
今日の通勤CD
どの曲もものすごいエネルギーを感じる演奏。かなり荒っぽいが密度の濃い音で強烈に訴えかけてくる。
ショスタコーヴィチは当然としても,ベートーヴェンも同じスタンスでやっているのがすごい。フーガの出だしなんかはものすごく荒れた音で思わず笑ってしまうほどだが,曲が曲だけに圧倒される。まさに息が詰まるという感じ。しかもライヴ録音というのがまたすごい。大フーガの途中で多少乱れるが,なんという集中力!そのわりに曲が終わったときの拍手がけっこうしょぼい。どういう状況だったのだろう?

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June 26, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・バレエ組曲ほか)

ショスタコーヴィチ・映画音楽,バレエ組曲集/M・ショスタコーヴィチ/ボリショイ劇場管・合唱団(BMG MELODIYA 74321 66981 2)
今日の通勤CD
曲目はバレエ組曲1~3番,バレエ「ボルト」組曲,バレエ「黄金時代」組曲,映画「ゾーヤ」組曲,映画「ピロゴフ」組曲。
ダスビの戦曲に備えて聴く。今回私が出しているのは「ピロゴフ」組曲。ダスビでやったらきっと楽しいと思う。
この盤の演奏はソ連のオケを息子が振っていて,この手の曲の中ではまず最高の部類。BMGがメロディヤのライセンス切れで廃盤になってしまっているが,持っていない方は見つけたら買って損はないと思う(もしかしたらそのうちヴェネツィアが出すかもしれないが)。
といっても,「美しい演奏」というやつではないので,そういうのを期待している方はご注意を。こういう曲は荒っぽいくらいの方が楽しいのだ。

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June 21, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.15)

ショスタコーヴィチ・交響曲15番/ザンデルリンク/バイエルン放送響(HALLOO HAL-33-34)
今日の通勤CD
ダスビの次回曲目に決まったので聴く。私の中では15番はなかなかとっつきずらく,他の曲ほどには思い入れを持てていないのだが,練習開始までにはそれなりのイメージを持っておかなければ。
ザンデルリンクの15番は何種類かあるが,バイエルン放送響とのこちらの盤も有名なクリーヴランドとの盤に劣らぬ名演。重苦しいものと軽妙なものが並立して存在し,感情が時にはうねるように寄せては返し,時には唐突に変化したり,そんなショスタコーヴィチらしい不安定感がたまらない。ライヴだというのに完成度も高い。ザンデルリンクはこの曲になにを感じていたのだろうか。

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April 18, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.3ほか)

ショスタコーヴィチ・交響曲3番,交響詩「十月」,詩曲「ステンカ・ラージンの処刑」/スメターチェク/プラハ放送響・合唱団,コシュラー/プラハ放送響,スロヴァーク/スロヴァキアフィル・合唱団(PRAGA PR254055)
今日の通勤CD
曲はそれほど優れていないが尋常でない演奏の交響曲3番と,曲はすばらしいが演奏が平凡な「十月」と「ステンカ・ラージンの処刑」の組み合わせ。
3番はこの演奏ほど異様なテンションのものはないのではないだろうか。何かに取り憑かれたような感じというか,ヤケクソな感じというか,速いテンポと強烈な音色に興奮させられる。しかし合唱が入ってくるとなぜかおとなしくなる。ちなみに歌唱はロシア語ではない。プラハだからチェコ語なんだろうか?よくわからないが新鮮だ。
十月は緊迫感が緩い気がする。遅めのテンポ設定と普通の音色のせいだろうか。もっと心拍数が上がるような,強烈な音がほしくなる。
ステンカ・ラージンの処刑はまあ悪くはない演奏だと思うが,もっと緊迫感がほしい。コーダでオリジナルのスコア(だったかな)どおりに演奏しているのはこの盤だけなので貴重だが,やはり普段は他の演奏を聴いてしまう。ここぞというところの鐘がほとんど聞こえなかったり,なんとなく物足りないのだ。

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February 17, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.2,3ほか)

ショスタコーヴィチ・交響曲2,3番,劇音楽「ハムレット」組曲/ロジェストヴェンスキー/ソヴィエト文化省響(BMG MELODIYA 74321 63462 2)
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本番前にハムレットの意欲を高めようと思って聴く。(またかい^^;)
総じていい演奏だと思うが,もっとぶっ飛んだ感じにしてくれてもいいのにな,とも思う。でも気分は十分乗ってきた。さて,あとは本番でちゃんと弾くことだ。
交響曲もわりと真っ当な演奏。ロジェヴェンだったらもっといろいろやっていてもよさそうなものだが。強いてあげれば3番の後半で出てくるグリッサンドのエグさか。どちらも合唱は雰囲気バッチリ。今どきこんな演奏をするところはそうあるまい。やはり必携盤ですな。

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February 15, 2006

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.8)

ショスタコーヴィチ・交響曲8番/バルシャイ/WDR響(BRILLIANT 6275-5)
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週末に向けて意欲を高めようと思って聴く。
曲の持つ力を感じさせてくれるなかなかいい演奏。音はロシアっぽい荒さがなくてきれいすぎかも。その分4楽章の弦のみの部分は,緩い動きの水の中に外光が入ってきて,屈折や反射が刻々と変化しているような,幻想的なイメージを感じさせる。

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December 21, 2005

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.6,14)

ショスタコーヴィチ・交響曲6,14番/ケーゲル/ライプツィヒ放送響(WEITBLICK SSS0037-2)
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6番。1楽章の後半部分,意識は深いところに沈み,思考をゆっくりと停止していく。ひたすら鳴り続ける低音とトリル。チェレスタのトリルでその意識に刺激が与えられ,再び意識はゆったりと活動を始める。意識は目覚め,冒頭の感情を再度思い出す。しかしその感情はすでに過去のもの。やがて意識は再び深く沈んでいく。そんな意識の動きを感じさせる演奏。2,3楽章。ケーゲルがこの曲に見たのは怒りなのか。常にとげとげしい攻撃的な音楽が展開する。今の私の気分がそう聞かせるのか?実際そういう音楽なのか?オーケストラはところどころインチキしているところもあり,それほど性能のいいオケではないようで残念。また終演後の拍手の短さはボールトの12番(Intaglio盤)並み。会場が盛り上がったのかどうかもよくわからない(笑)。
14番。オケは粗さがあるものの,やばい雰囲気を十分漂わせて展開する。歌唱はドイツ語。そのせいだけではないと思うが,なんだかドイツ歌曲っぽい雰囲気にも聞こえる。「深く豊か」なものを目指しているような。この曲はガリーナ・ヴィシネフスカヤみたいな,冷たく時にヒステリックな声が似合うと思う(そういうのの聴き過ぎかも)。そんなわけでオーケストラの雰囲気と声の雰囲気が微妙に違うような気がするが,慣れればなかなかいい演奏のように思う。また,曲が終わってから拍手までちょっと妙な間がある。実際どう反応していいかわからないという気もするが,いろいろな意味でのこの曲の難しさが表れているように思う。

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