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February 27, 2015

2.8ダスビ演奏会

今年も年に一度のショスタコ祭りに参加しました。
聴きにいらしてくださったみなさま,スタッフとしてお手伝いいただいたみなさま,一緒に演奏したみなさま,どうもありがとうございました。

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オーケストラ・ダスビダーニャ第22回定期演奏会
2015/2/8(日)東京芸術劇場コンサートホール
指揮:長田雅人(常任指揮者)
曲目:交響詩「十月」op.131
   映画音楽「ニュー・バビロン」op.18から抜粋
   交響曲第8番op.65
   (すべてショスタコーヴィチ作曲)

○十月
コンサートマスターで参戦。
作曲者晩年の,私が生まれた年の作品。
ダスビでは2002年の第9回に演奏していますが,私は2ndVnだったので今回はさらい直し。「こんなこと弾いてたんだっけ?」という感じでした。
この曲では弦楽器は細かいパッセージをこれでもかと弾かされます。雰囲気は今までのダスビっぽい感じなので,それぞれがちゃんと弾けてちゃんと周りを聴いて合わせられればそれほど難しいことはないはずなのですが,さらいきれていないと余裕がなくなかなかうまいこと合わないというのはよくあること。
本当はもっと早い時期にそこらへんはクリアしたかったのですが,アマチュアオケなので贅沢は言えません。少なくとも自分が原因で乱すことがないように心がけました。
本番直前にマエストロOSPから「小さくまとまらないで,こぼれちゃって。最終的にこぼれたのを拾い集めるから。」といつものように素晴らしい言葉をいただき,そこからけっこう音が変わったように思いましたので,本番では一段階いい演奏ができたのではないかと思います。

○ニュー・バビロン
コンサートマスターで参戦。
今回の演奏会で最も印象に残ったであろう,そして評価も分かれるであろう演奏。
実際聴きに来てくれた元メンバーから「やりすぎ」との評もいただきました。
さて,こちらは作曲者20代前半の作品。
ダスビでは最近映画音楽をよく取り上げますが,今回は舞台がパリ。しかも抜粋した曲の主役はブルジョア。まったくダスビっぽくない曲でした。
映画自体はパリ・コミューンが題材なのですが,抜粋した曲の部分を見るとブルジョアたちの退廃した雰囲気の中での下卑たやり取りが次から次へと出てきます。そんな雰囲気を音にするのは日本人のアマチュア音楽家,しかも旧ソ連の労働者のための音楽ばかりやっているダスビにはとても難しいものです。
そこで(かどうかわかりませんが)マエストロは演奏中に小芝居などをすることを提案され,そのことが雰囲気を出すことにプラスになったと思います。
で,私はソロの場面でヴィオラ方面に立ち歩いて戻るということをやってみました(写真)。

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HUP("Hip Up Position"の略=演奏中に尻を浮かすこと)どころか本当に立ち上がるという荒業(暴挙?笑)
年が明けてから思いついて,練習時にマエストロに「とりあえずやってみて具合が悪かったらやめます」と提案したのですが,却下されなかったのですんなりやることに。妻には「ほんとに目立ちたがりだね・・・」と呆れられましたが,まあ否定はしません。
ここは映画では役者が「私たちは愛に飢えています」と言いながら客に向かってウィンクをする場面なので,私もウィンクをしようかと思いましたが,練習してもうまくできなかったのでやめました。そのかわり客席に向いたときはちょっとニヤニヤしてみたつもりですが,あまり効果はなかったかもしれませんね。
終演後に「歩きながら弾くなんて頭が真っ白になったりしませんか?」と聞かれましたが,家でふらふら歩きながら練習したりしていたので完璧とはいきませんでしたがまあまあだったかなと。
まあこういうことは二度とないんじゃないかと思います。

○交響曲第8番
1stVnトップサイドで参戦。
ダスビでは3回目(私はそのうち2回)の8番。(前回(2006年)はこちら
冒頭の低弦の圧力(音圧というだけでなく何か精神的なものも加わった圧力)は以前より少し弱くなった気もしますが,他のオケではなかなか出ないものだったのではないかと。
1楽章と5楽章は特に難しく,1stVnはちゃんと合っている(音程も縦も)ことはもちろん,この曲が言いたいことを言える音を出さなければならないのが最大のポイントだと思います。
この点は以前より進化したのではないかと感じました。最近はマエストロから特に弱音の音色を作ることを指摘されますし,弦練で丸山先生から「鳴るポイントを外す」と教わったsul tasto(指板上で弾く)の指示がある箇所もかなり実現できたように思います。それによって1楽章では凍り付いた心と阿鼻叫喚の絶叫,5楽章では汚れた現実と美しいものの落差を大きくできたのではないかと。
ただ5楽章のフーガはなんとか乗り切った感じだったので,こういうところは今後の課題でしょう。

中間楽章では2楽章後半は今回もやはりスネアに煽られてとても大変でしたが,まあこれは予想どおり。中間部のピッコロも良かったですし。
3楽章は団長おなじみの安定のソロ。奏者は変わっても銃撃のイメージは変わらないスネア。このあたりはやっぱりダスビっぽかったですね。
弦楽器が疲れてくると走ってしまうのも相変わらずダスビっぽく,ここは直したいのですが。でも以前よりはマシになったと思います。
4楽章はいい雰囲気が出せたように思いますが,実際どう聞こえたのでしょう。全体的に音量を抑えて作った感じだったので,3楽章で全部ぶち壊した後の荒涼とした風景が見えていれば成功なのだろうと思いますが。

曲の最後のC-Durの和音の上で「ドレドー」と終るのは何度やっても素敵です。「そして最後に美しいものが残る」というやつです。
最後に残る美しいものとはなんなのでしょう。
今回も最後の音が消えてから長い無音の時間がありました。舞台上でも客席でも,そんな「美しいもの」を意識する時間だったのではないかと思います。

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打ち上げではなんと2度目の「なんちゃってダスビ賞」をいただきました。(最初は第18回)
すみません,受賞理由は忘れてしまいましたが商品は「ほうとうセット」でしたので,美味しくいただきました。
来年は5番とチェロ協奏曲1番。丸山先生との共演が楽しみです。

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