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June 01, 2005

今日の通勤CD(バッハ・BWV72ほか)

バッハ・カンタータ72,73,111,156番/ガーディナー/モンテヴェルディ合唱団/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(ARCHIV 463 582-2)
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顕現節後第3日曜日用カンタータ集。156番を聴きたくて選択。
156番の冒頭シンフォニアは5/20の記事に書いたBWV1056の2楽章と同一楽曲(旋律はオーボエ)。気分が低調なときにはこんな曲を聴きたくなる。実際は心が落ち着くわけではなく,心を乱す考えごとの色合いを微妙に変化させてくれる,といったところか。第2曲テノールのアリアとソプラノのコラールがまた同様の効果で心に作用する。後半のアルトのアリアと終曲のコラールを聴く頃には,少し気分も変わっているような気になるのは,そうありたいと願う自分の思いこみなのだろう。
111番はコラール・カンタータ。冒頭コラール合唱は本当に見事だ。器楽の溌剌としたリズムに乗せた合唱に,ソプラノのコラール定旋律が重ねられるこの曲は私の大好きな曲の一つだ。こういう曲が山ほど聴けるのだからバッハのカンタータはやめられない。第2曲バスのアリア「おそれるな,私の心よ」は,なんとも心に沁みる。信者でない,しかもドイツ語がほとんどわからない私でもそんな気分になるような曲だ。第4曲のアルトとテノールのデュエットも気に入っている。弦楽の細かい動きに挟まれるレガートの部分がとても優しい。安易に優しいものに頼ってはいかん,と思いつつもそんな気分に寄りかかりたくなってしまう。終曲は第1曲と同じブランデンブルク辺境公アルブレヒトによるコラールで締めくくられる。
72番冒頭合唱は決然とした出だしと,中間の密やかな部分の対比が印象深い。第2曲はアルトのレチタティーヴォ,アリオーソとアリア,というあまり目にしない形式。アリアの部分はヴァイオリンと通奏低音の伴奏。随所に現れるヴァイオリンの不協和音がなんともステキだ。第4曲ソプラノのアリアはオーボエの音色のせいもあってかとても平和なイメージ。コーダがあるのがちょっと変わっている。終曲は111番と同じコラール(111番冒頭と同じ第6節)が用いられている。
73番冒頭はコラール合唱にソロのレチタティーヴォが挟まれる形式。合唱部の音の厚みと,楽節間の弦楽とオーボエだけの薄い感じの対比が面白い。第2曲テノールのアリアは通奏低音のファゴットが独特の味わいを出しているが,これはスコアにあるのだろうか,それとも演奏上の解釈なのだろうか。第4曲バスのアリアでは後半部で器楽が弦楽器のピチカートのみになるが,これはあまりない形ではないだろうか。

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