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April 28, 2005

今日の通勤CD(バッハ・BWV12ほか)

バッハ・カンタータ12,54,162,182番/鈴木/バッハ・コレギウム・ジャパン(BIS CD-791)
今日の通勤CD
bwv54さんからたくさんトラックバックしていただいたのに,54番はあまり印象になかったなぁ,と思い選択。(この盤についての記事はこちら
54番はアリア-レチタティーヴォ-アリアの三曲構成。1曲目のアリアは次々と音が重なっていく効果が面白い。重なりの最後は不協和になるが,こういう響きがいかにもバッハ的でいい。アルト(米良美一)が"Widerstehe・・・"と入ってくるところもなかなか印象深い。終曲は器楽と声楽のフーガになっており,とてもいい感じだ。個人的には冒頭がハイドンのop.20-5の終楽章の雰囲気に似ている印象だ(もちろんハイドンのほうが後の作品だが)。
米良の声が気持ち悪いという評をいくつか目にしたが,たしかに低音が重い感じなので気にすれば気になる。以前kaorina。の声楽の発表会を聴きに行ったとき,全声域で同じ声質の人はけっこう少ないということを感じたが,米良の場合は声質の差が大きめだということだろう。まあ,私は不愉快とは思わない程度だが。

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April 27, 2005

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.8)

ショスタコーヴィチ・交響曲8番/ムラヴィンスキー/レニングラードフィル(PHILIPS 422 442-2)
今日の通勤CD
この曲は戦争という形を借りた心の闘いの表現だ。社会主義リアリズムを表面的に実現するための戦争と勝利をテーマとしながら、本質は人間の心の闘いとその結末を明らかにしている。この曲がショスタコーヴィチの交響曲のなかで最も素晴らしいというものと、最も内容がないというものの両極端の評価に分かれるのは、こういった要素が大きいのだと思う。この演奏はこうした心の闘いを明らかにする数少ないもので、もしかしたらほかには有り得ないかもしれない。
1楽章から終楽章まで何度も息が詰まるような場面が現れるが,それは心に直接打撃を受けるような感覚であり,心の傷を経験しているようなものだ。そんな経験をいろいろな形で何度も経て最後の場面に到達する。純粋でとても小さく,しかしはっきりとその正体はわからない,手に入れたいと掴もうとしてもおそらく永遠に掴めないものが,もう少しで手が届きそうなところに存在している。それはおそらく激しい闘いを経た後にのみ存在を認識できるものだ。闘いの形はいろいろあるだろうが,そこには他人も自分も激しく傷を受けるという共通の条件があるはずだ。自らの力で相手を攻撃し,また自分自身が直接攻撃を受ける。そしてお互いが激しく傷つく。そんな経験をすればするほど,この最後の場面に心を打たれるのだ。闘いによって失うもの、得るもの。それとは無関係に存在するもの。人間の心の汚い部分と美しい部分。そして真理。表面的に傷ついただけでは決して感じることができない、自らが心の奥深くまで傷を受けなければきっと感じることができない、そんな性質のものだと思う。

この盤の録音は音程が高く,けっこう気になる。マスターから起こしたときにこうなったのだろうか。RUSSIAN DISC盤のほうが自然だし,低音も強めに入っていて好みだ。

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April 25, 2005

今日の通勤CD(バッハ・マタイ受難曲)

バッハ・マタイ受難曲/レオンハルト/ラ・プティット・バンド/テルツ少年合唱団(deutsche harmonia mundi RD77848)
今日の通勤CD
冒頭合唱が頭で鳴るので選択。心に大打撃を受けたときはマタイだ(たぶん)。通勤の往復+昼休みをかけても聴ききれるものではないのだが。(結局25,26日と2日かけて聴く)
学生時代の後輩が「マタイはレオンハルトのがいい」と言っていたのでずっと欲しかったのだが,入手したのはわりと最近だ。先日聴いたアーノンクールのカンタータ集では少年合唱団のソリストがやや不安定な歌唱で少々不満だったが,この盤の少年合唱団のソリストはかなり安定しており,ほとんど不満はない。
マタイは聴きどころ満載でいいところばかりなのだが、機会を得てマタイの演奏に参加させてもらえることになったので、今までとはちょっと違う聴き方になった。例えば金に目がくらんだユダがイエスに口づけした後、「友よ、なぜ来たのか」とイエスが言うあたりは衝撃的だなあ,と思ったり。これによってイエスが捕らえられて第一部が終わるわけだが、まさに物語が動き出す部分になんと劇的なつくりなのか。よく研究して臨みたい。

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April 24, 2005

市原フィル合宿

金曜夜から日曜昼まで参加。合宿で最重要な宴会にて,たいこのN氏とサシでじっくり話すことができてよかった。私もこうありたいと思う,非常に尊敬する人物だ。レベルを下げないための心がけやそのための取り組み,演奏について考えていることなど,いい話をたくさん聞くことができた。その後指揮者の小出氏が混ざったところから話しがおかしくなり,また大もめになってしまった。酒が入っていて詳細を忘れてしまったが,ますます現状が悪化したことは間違いない。でもN氏が言っていた「離れてしまったらどうにもならないが、そこにいればなんとかすることもできる。」ということはそのとおりだと思う。ところが、それはそのとおりだと思っても事態に納得できないことにはどうにもならないのが私の性格で、やっぱり無理だというのが今の思いだ。
その後なんの話だったか「動物占いでは<波乱に満ちたペガサス>というやつだ」と言ったら妙に納得された。昔そんな本を持っていた男に見てもらったらそう出たのだが、改めてネットで調べたら「芸術家であるペガサス」とか「ゴールドのペガサス」とか出た。束縛が嫌いで扱いづらく、筋を通すことを重視して周りとの調和は二の次、執着心がなく詰めが甘いというのは当たっているわけだ。ちなみにkaorina。はオオカミなので、結婚の相性は最高らしい。
とまあそんなこともあって、最終日の練習は弾き始めたもののすぐに離脱。申し訳ないとは思ったが,その時の状態ではとても弾けるものではなかった。普段から魂を削って音にしているつもりでやっているのに,その魂が空虚だったらまったく話しにならない。音楽と他の演奏者に失礼だ。そんなわけで海に行って空手道場(?)の練習を見た。波打ち際に横一列に並び,海に向かって打ち込んでいたが,私はああいうのは苦手だ。遠い世界の住人たちの精神修養を不思議なものとして眺めながら,自分が参加しているアマチュアオーケストラというものも外から見れば相当不思議な集団なのだろうな,と考えた。
一連の出来事で鬱っぽくなったが,kaorina。も鬱になっていた。本人はこうなることを予見していたようなことを言っていたが,まったく困った鬱夫婦だ。帰りの車でベートーヴェンのOp.132を聴いたが、kaorina。曰く急転直下なところが私の生き方みたいな曲らしい。なんだかやっていたら事件が起こって大騒ぎになり、いったん平和が訪れるがそれも長続きせず、またもや事件が起こる、ということらしい。そんなもんなのか?

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April 22, 2005

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・SQ.7,8,9)

ショスタコーヴィチ・弦楽四重奏曲7,8,9番/ショスタコーヴィチ四重奏団(Sacrambow OMCC-1001)
今日の通勤CD
7,8番はいい感じなのだが,9番はちょっとばかり物足りない。というのは,中間楽章あたりでいくらか推進力が弱まるのか,なんとなく退屈に感じてしまう部分があるのだ。丁寧に演奏している感じなのだが,それがこの場合は音楽の要求に合っていないのかもしれない。そうは言っても終楽章なんかはかなり充実しているのでいい演奏だとは思う。

ショスタコーヴィチのカルテット関連では,幻のタネーエフカルテットの全集がやっと再発されるという情報が。レーベルがマイナーっぽいので発売日(5/20予定)に即買わねば。持っていない方,これは買いですよ。

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April 21, 2005

今日の通勤CD(バッハ・BWV4ほか)

バッハ・カンタータ4,78,80,140,147,199番/アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(TELDEC WPCS-5981/2)
今日の通勤CD
アーノンクールとレオンハルトによる,カンタータ全集完成版からの抜粋。2枚組。ソリストにテルツ少年合唱団のメンバーを用いている曲があり,当時の演奏状況になるべく近くするという意図があったらしいが,歌唱が少々不安定なのが気になる。まあ,そんなことを気にしないで聴けばいいわけだが。
演奏はスタカート気味に音を切ったり,強めのアタックや抑揚がいくぶんオーバーな部分があったりするところがアーノンクールらしい。全体には器楽より声楽を強調した演奏のように思う。
最近この全集がかなり安く再発されているので欲しいなぁと思っているのだが,それでも結構な値段なのが・・・

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April 14, 2005

今日の通勤CD(バッハ・BWV45ほか)

バッハ・カンタータ45,105,178番/リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団・合唱団/アンスバッハ・バッハ週間管弦楽団(ARCHIV POCA-3023)
今日の通勤CD
45番は冒頭合唱やバスのアリオーソとそれに続くアルトのアリアが印象的だ。あらためて聖書を眺めてみたが,福音書の章句をこのような音楽にして解説する,というのはなるほど効果的だと思わせる。
105番は叙情的な面を強調した感じで,もう少しシンプルなほうが私は好みだ。冒頭合唱や終曲のコラールなどはそのほうが曲の本質がよくわかりそうな気がする。
178番は魅力的な曲が満載の劇的なもの。流れるような器楽パートにのせて歌われる第3曲のバスのアリア。第5曲のコラールとレチタティーヴォはほかにあまりないと思われる劇的なもの。それに続く"Schweig,Schweig nur,"と強調されるテノールのアリアは印象的だ。終曲のコラールも壮麗なものだ。

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April 13, 2005

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.5)

ショスタコーヴィチ・交響曲5番/ムラヴィンスキー/レニングラードフィル(ERATO 2292-45752-2)
今日の通勤CD
ムラヴィンスキーの5番の中でも非常に充実したライヴと思われる,異常なまでに厳しく引き締まったムラヴィンスキーならではのすばらしい仕上がり。私が最初に買った5番はこの録音(Victor盤)だったが,今聴いても最高の演奏の一つだと思う。いい出会いだったということだ。

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April 12, 2005

今日の通勤CD(バッハ・BWV94ほか)

バッハ・カンタータ94,105,168番/ガーディナー/モンテヴェルディ合唱団/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(ARCHIV 463 590-2)
今日の通勤CD
94番はコラールカンタータ。私はこの落ち着いた感じのコラールが好きだ。冒頭合唱はコラールの旋律がわかりやすく織り込まれており,一聴してそれとわかる。第6曲のテノールのアリアも心に沁みる。
105番は罪深い心が癒されていくさまをテーマとし,それが音楽に明確に表されている。深い響きの序奏に導かれる合唱から始まり,ヴィヴァルディの四季「冬」に現れるような弦楽器の刻み(「心の震え」を表すようだ)にのせたソプラノのアリアや,流れるような弦楽器の旋律にのせたテノールのアリアが印象深い。終曲のコラールで冒頭に弦楽器の刻みが現れるが,その速度が次第に緩まり,最後にはコラール旋律と同化して静かに終わる。こうして心が癒されたというわけだ。
168番はいきなりバスのアリアから始まるが,器楽パートが雷を表現しているのか,低音の細かい動きが特徴的だ。こういう低音の使い方がすばらしいと思う。

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April 10, 2005

ディマンシュ演奏会

かなり日が経ってしまったが,記録。

オーケストラ・ディマンシュ第21回演奏会
2005.4.3 すみだトリフォニーホール
指揮:金山隆夫
ドヴォルジャーク:交響曲第7番
伊福部昭:日本狂詩曲
伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ
伊福部昭:SF交響ファンタジー第1番(アンコール)

2ndVnで出演。
ドヴォルジャークは合奏の練習出席回数が少なかったため不安を残しての本番だったが,大きな事故もなく仕事はこなせたと思う。ただ,空調の風でたびたび譜面がめくれたため,それを戻すことに気を取られたことが多かったのが残念だった。客席に人が入ると空調の風が強くなるので,本番ではリハーサルでは起こらないことが起こる。なんとか改善できないものか。
日本狂詩曲とタプカーラは自分としては納得のいく出来だった。タプカーラは弥生から約2ヶ月後だったので,解釈やボウイングが抜けないところもあったが,最後のボウイングを間違えた程度でまあ問題ないだろう。こちらも風を気にしたが,譜面台の向きを変えてごまかした。そのため譜面が見えづらくて困った部分もあったが,譜面がめくれるよりはいいだろう。
終演後聴きに来てくれたダスバーから「ここのプルトだけ別世界だったけど楽しそうだった。」との評をいただいた。「別世界」というのが少々気になるが,誉め言葉と捉えることにしよう。
打ち上げは2次会まで行って終電で帰宅。1次会終了後にほとんどの人が帰ってしまい,2次会は一テーブル半。残っていた人間の半分くらいがダスバーだった。普通のオケだと2次会はこんなものなのだろうか?

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April 08, 2005

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・Sym.10)

ショスタコーヴィチ・交響曲10番/オーマンディ/フィラデルフィア管(SONY SB2K 62409)
今日の通勤CD
2枚組のうちの1枚を聴く。カップリングは4番。
全体にそんなに悪くないのだが,もう一つ足りない。もっと胸を締め付けられるような感じが欲しいのだが,そういうのがあまり感じられないのだ。これも解釈の一つなのかもしれないが,少々緩い感じがする。ときどき金管が異常に鋭く入ってくるのに,弦は常に温かい豊かな音色,というところか。もしかすると録音が音が丸くなるようなものなのかもしれないが,それにしても弦はもっとやばいエネルギーを感じさせるほうがいいと思う。
終楽章のラストに弦楽器のグリッサンドがあるのだが,どの録音を聴いてもそれが聞こえるものがない。ところがこの録音ではグリッサンドが聞こえるのでよくよく聴いてみたところ,どうもトロンボーンがやっているように聞こえる。スコアにはトロンボーンのグリッサンドはないので,どうしてもグリッサンドを聴かせたかったオーマンディがトロンボーンにやらせたのかもしれない。面白いがなんとなく異様に聞こえるので,やはり弦楽器だけでちゃんと聞こえるほうがいいと思う。

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April 06, 2005

今日の通勤CD(バッハ・Vn協奏曲集)

バッハ・ヴァイオリン協奏曲1,2番,2つのヴァイオリンのための協奏曲/クイケン,ファン・ダール(vn)/ラ・プティット・バンド(deutsche harmonia mundi BVCD-1629)
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協奏曲2番を聴きたくなって選択。バッハの声がない曲は最近あまり聴かないが,ときどき聴くのもなかなかいいものだ。
2番の終楽章はジーグによるもので,何度も現れるテーマが非常に印象的だ。なぜかわからないが,この終楽章を聴くと懐かしい気分を感じる。子供の頃によくレコードで聴いていたので,そのころのイメージなのか,チェンバロ用の編曲(BWV1054)をよく聴いた高校生の頃のイメージなのか,それとも曲そのものが持つ性質なのか。おそらく曲そのもののが持つ性質が大きいのだと思うが,人それぞれの人生経験によるイメージから生じる感覚というのもけっこうあるので,全部ひっくるめてのものなのだろう。
クイケンの演奏は極端にストイックというわけでもなく,古楽器による演奏に対する一般的イメージより豊かな表現を実現しているように思う。そうは言ってもモダン楽器による情感たっぷりな演奏とはまったく違うのだが。こういう演奏はやはり古楽器でないとうまくいかないのだろうが,私としてはこんな表現でバッハを演奏してみたいと思っている。
ラ・プティット・バンドは名前のとおり非常に小編成(データによるとこの録音では4:3:2:2:1のようだ)だが,とても充実した音がしている。これは録音も原因しているのだろうか。生き生きした表現はクイケンのソロと絶妙に調和して気持ちのよい音楽をつくっている。

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April 01, 2005

今日の通勤CD(ベートーヴェン・Sym.7ほか)

ベートーヴェン・交響曲7番ほか/ビーチャム/ロイヤルフィル(BBC LEGENDS BBCL 4012-2)
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1959年のコンサート録音。収録曲は英国国歌,メンデルスゾーン:序曲「美しいメルジーネ」,アディソン:バレエ「白い手帳」,サン=サーンス:「サムソンとデリラ」から,ドビュッシー:カンタータ「放蕩息子」から,グノー:「ロメオとジュリエット」から。加えてビーチャムによるアンコールの前説が収録されている。

ベートーヴェンの7番は少し速めのテンポで強烈なエネルギーを持って演奏されている。特に乱暴とも思えるホルンや弦楽器の響きに加え,強烈なティンパニの打ち込みなどが心をあおり立てる。もちろん全曲が閉じられた瞬間に大拍手。最後がのばしの音だったら終わる前に拍手が来るだろうと思えるほどのものだ。ビーチャムはドイツ音楽にあまり関心がなかったということだが,「ドイツ音楽はこうあるべし」みたいなものがイヤだったということなんじゃないかと思った。

ビーチャムの演奏が最高という人もいる英国国歌が収録されている(正規盤初出らしい)が,たしかに非常に立派なものだ。普通どういうものかはよくわからないが,国歌をこれほどまでに演奏するというのもすごいことだと思う。また,アンコール前にビーチャムがなにやらしゃべり客席が大爆笑するが,ビーチャムは毎回アンコールの説明でギャグを言っていたというからきっとそれなのだろう。残念ながら英語の聞き取りはほぼできないので,私は楽しむことはできない。国が違えばギャグセンスも違うことが多いから,どちらにしても楽しめないのかもしれないが。

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