今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・SQ10,11,15)
ショスタコーヴィチ・弦楽四重奏曲10,11,15番/ショスタコーヴィチ四重奏団(OLYMPIA OCD534)
15番はソロの部分が非常に多いので,「四重奏」というより「四人の弦楽奏者の」という感じだ。なんとも暗い,不思議な雰囲気は最晩年の作品に共通するが,カルテットならではの音の色合いというのか,それが特徴的だと思う。今回聴いて,15番は地獄めぐりとでも言ったらいいんじゃないかと思った。死んであの世に行ってとぼとぼ歩いていたら,いろいろな風景が見えたり,いろいろな出来事が起こったり,という感じだ。ショスタコーヴィチは臨死体験したんじゃないか,と勝手な想像をしてしまった。
11番は変な曲だ。でもこれがたまらなくいい。どの曲も短くてあっという間に終わってしまうし,「レチタティーヴォ」とか「エチュード」とか「ユモレスク」とか何じゃこりゃ?というようなのが楽しい。しかもこの演奏はかなりの気合いが入っているので,聴いていて飽きない。
10番はこの3曲の中で最も普通の曲だ。もちろんショスタコらしいから,一般的な「普通」というのとは違うと思うが。弦楽合奏版にも編曲されているから,より大編成向きのスコアということだろう。弦楽合奏版よりオリジナルの四重奏版のほうがキレがいい(この演奏だからかもしれないが)ので,私はいつも四重奏版を聴いている。
The comments to this entry are closed.
Comments