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December 28, 2004

今日の通勤CD(バッハ・BWV82ほか)

バッハ・カンタータ82,83,125,200番/ガーディナー/モンテヴェルディ合唱団/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(ARCHIV 463 585-2)
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先日ようやく中古屋で買ってきたもの。マリア清めの祝日(2/2)用カンタータ集。ガーディナーのカンタータ巡礼シリーズは,ガーディナー自身が立ち上げるという新レーベルから全て出るという噂を聞くから,今これを手に入れるのはあまり得策でなかったかもしれないが,まあいいとしよう。
演奏のせいかもしれないが,83番はなんだかヘンデルみたいな雰囲気で曲が始まる。全体に明るい雰囲気が支配しているように感じる。
82番はバスソロのための名曲。テキストの内容はいかにもキリスト教で,音楽もそれに合ったものになっている(はず)だが,そんなことは関係なしに聴ける曲だと思う。第3曲のアリアは特にすばらしい。
125番では特に第4曲のテノールとバスのデュエットがいい。生き生きとした弦楽の伴奏に心を奪われる。旋律もいいが,通奏低音がとても効果的だ。もちろん声楽もステキだ。全曲中この曲だけ突出して雰囲気が違う気がするが,おそらくテキストに由来するものだろう。
200番は1742年の作と推定されているから,最晩年の作ということだが,断片と記されたアルトのアリアしか収録されていない。どうも現存するのがこの曲だけのようだが,弦楽の伴奏で非常に穏やかないい曲だ。

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December 27, 2004

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・管弦楽曲集)

ショスタコーヴィチ・管弦楽曲集/ロジェストヴェンスキー/ソ連文化省響(BMG MELODIYA 74321 59058 2)
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最近知人から「ショスタコーヴィチアレルギーの人に勧められる曲はないか」というメールが来たので,ジャズ組曲でも聴いてみようと思って選択。結局2枚組のDISC2のみを聴いた。曲目は,「大きな稲妻」「コルジンキナの冒険」「ジャズ組曲1番」「プーシキンのロマンス"春よ,春よ"」「黄金の丘」「南京虫」。
ジャズ組曲1番は,ショスタコーヴィチのイメージによくある「暗い」「うるさい」という雰囲気は薄い。これならショスタコーヴィチアレルギーの人でも聴けるのではないか。私としては,「大きな稲妻」や「黄金の丘」が好きなのだが,これらはちょっとうるさい。やはりピアノ協奏曲2番の2楽章あたりを勧めるのがいいのだろうか。
わざわざ嫌いな作曲家の曲を聴かなくてもいい気がするが,その人は「嫌いではないが聴けない」ということなのだろうか。確かに私も精神的にまいっているときはショスタコは聴かない。「今日の通勤CD」を見れば私の精神状態がけっこうわかる,とkaorina。に言われたが,疲れた心にショスタコはきつい。ショスタコーヴィチの音楽は,あまりにも多くのメッセージを持ちすぎているのかもしれない。

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December 21, 2004

今日の通勤CD(バッハ・BWV36ほか)

バッハ・カンタータ36,61,62番/ガーディナー/モンテヴェルディ合唱団/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(ARCHIV 463 588-2)
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今度は正真正銘待降節(第一日曜日)用カンタータ集(笑)。
ガーディナーのはいつもそうなのだが,61番はリヒターの演奏よりキレがいい感じ。そのせいかどうかはわからないが,ソプラノやテノールのアリアもこちらのほうが好みだ。私はどちらかというとレガート&重量感の演奏より,キレ&躍動感の演奏のほうが好きなのだ。
36番は2部に分かれていて大規模な作品だ。コラールを2回演奏するというのはけっこう意味があるのではないかと思うが,こちらも最後のコラールは非常にあっさりと終わってしまう。たぶんどうでもいいことだろうが,やっぱり何か意図があるのだろうか?
62番ではバリトンのソロが印象的だ。伴奏が楽しそうでいい。毎度のことながらこういう曲を演奏してみたいと思う。終曲のコラールは36番とまったく同じ(と思う)。作曲は7年違い(こちらが先)だが,同じ祝日用だから同じコラールを使ったのだろう。そうでもしないと作曲が大変だろうし。

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December 20, 2004

今日の通勤CD(エルガー・Sym.2)

エルガー・交響曲2番/ハンドリー/ロンドンフィル(EMI CD-CFP 4544)
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なんとなく聴きたくなって選択。おそらく先日の飲み会で金子建志氏が「京都のオケでエルガーの1番をやる」と言っていたのが頭に残っていたのだろう。
エルガーの2番は学生時代に選曲に挙がり,そのときこのCDを買ったのだが,けっこう愛聴している。結局指揮者の「面白くない」の一言で没になったのだが,おかげでショスタコーヴィチの5番が選曲され,現在があるわけだ。
この曲には個人的に「たそがれているイメージ」を持っていて,特に終楽章にそういう感覚が強くある。他に同曲のCDを持っていないので,この演奏がいいのか悪いのかよくわからないが,「たそがれた」感じがいいと思ったのだから,きっとなかなかいい演奏なのだろう。いつもバッハやショスタコのCDを買ってしまうので,なかなかエルガーには手が出ないのだ。自作自演盤に興味があるのだが・・・

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December 15, 2004

今日の通勤CD(バッハ・BWV61ほか)

バッハ・カンタータ61,63,132番/リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団・合唱団(ARCHIV POCA-2028)
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だいたい時期にあったカンタータ集を選択。と言っても63番は降誕節用だが。
待降節第一日曜日は教会暦の始まりだから,61番は気合いを入れて作曲したのだろう。いかにもといった雰囲気だが,終曲は意外なほどあっけなく終わってしまう。もう少し聴かせてほしい気もするが,それが作戦なのか。
132番は第四祝日用だが,61番に比べて軽い雰囲気だ。さすがに何週も「待って」いると,待ちくたびれてしまうからだろうか。アルトのアリアでの独奏ヴァイオリンが印象的だ。こういう曲を演奏できたらいいな,と思うが,いつもの事ながら実現は難しいだろう。
降誕節第一祝日用の63番はクリスマスらしい祝典的な曲だ。この盤の演奏ではトランペットが目立ち過ぎな気がするが,おそらくモダン楽器だからだろう。終曲の"Dass uns Satan moge qualen"というくだりが気に入っている。
それにしても,教会に行ってこんな曲を聴かされたら,その気になるのもなんとなくわかるような気がする。

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December 14, 2004

今日の通勤CD(ハイドン・Sym.94,99,104)

ハイドン・交響曲94,99,104番/ヨッフム/ベルリン響(Innovate Music ORCD 11037)
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海賊盤っぽいCD。弥生で99番をやったときに安い輸入盤を適当に選んで買ったらこれだった。
演奏はもう流行らないよ,という感じ。最近は古楽器団体の演奏が大流行なので,メヌエットのテンポの解釈など特に古臭さを感じてしまう。
古いのはだめ,ということではないが,個人的には古楽器団体の演奏のほうが好みなので,こういう演奏はちょっと退屈してしまう。

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市原市楽友協会演奏会(12/12)

市原市楽友協会第18回市民コンサート
ソプラノ:大貫裕子,アルト:日向由子,テノール:羽山晃生,バス:戸山俊樹,指揮:山本康童
・ロッシーニ「どろぼうかささぎ」序曲
・ヴェルディ「椿姫」から「乾杯の歌」
・ビゼー「カルメン」から「ハバネラ」
・モーツァルト「魔笛」から「なんと美しい絵姿」,「この聖なる殿堂には」
・プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」
・ヴェルディ「アイーダ」から「凱旋の合唱」
・ロッシーニ「スターバト・マーテル」

2ndVnエキストラで出演。この団体への出演は今回でたぶん4回目くらいになると思う。以前ベートーヴェンのミサ・ソレムニスを演奏したのもここだが,合唱付きの大曲を毎年演奏するというのはなかなか大変なことだと思う。以前に比べてだいぶん内容が向上したように感じたが,弦トレーナーを迎えたことと客演指揮者で何度か演奏したことが大きいのではないかと思う。弥生でもそのあたりを少し考えたほうがいいと思うが,団体の性格を考えるとまずは弦トレーナーを手配することだろうか。
ソリストは実力のある人が揃っていたので,前半のアリアはとても良かった。中でもソプラノの大貫さんの「私のお父さん」には妙に感動してしまった。好みの声やそれほど好みでない声があるが,今回の大貫さんは好みの声だった。kaorina。の歌の教室の発表会でいろいろな人の歌を聴いたが,声はいろいろあって面白い。
打ち上げでアルトの日向さんと話をしたが,ハバネラは苦手だと言っていた。弥生でカルメンを歌った鈴木さんよりかなり素直な感じだったのでちょっと遠慮しているのかと思ったのだが,あれは経験豊富すぎるくらいな人だからこそで,普通はこんな感じにやるものなのかもしれない。
ロッシーニの「スターバト・マーテル」はまったく知らない曲だったのだが,譜面をもらってさらってみると終曲はどうもよさそうだと思えた(ほかの曲はメロディーがほとんどないので,どんな曲かよくわからない^^;)。練習に行ってみるとなるほどなかなかいい曲だったので,ロッシーニもこんな曲を書いていたんだ,と感心してしまった。なんでもほとんど引退状態になってから書いた曲だそうだが,そこはちゃんと仕事したということだろう。曲中合唱アカペラの曲が2曲あるが,そのうちの最初のほう(第5曲)はバスソロも歌う。練習で合唱のピッチがどんどん上がり,ソリストが待ったをかけたほどだったのだが,本番でも出だしから半音近く高めから始まっていた。どうなることかと思ったが,さすがプロ,うまく合唱のピッチの上昇を抑え(それでも高かったが),ハイトーンもきれいに歌いこなしていた。全体としては,先にCDなどで曲を知らなかったせいかもしれないが,なかなかいい演奏だったのではないかと思う。
最後に,出演された皆様,お疲れさまでした。いい経験をさせていただき,ありがとうございました。

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December 10, 2004

今日の通勤CD(バッハ・BWV4ほか)

バッハ・カンタータ4,31,71,106,150,185,196番/コープマン/アムステルダム・バロック管弦楽団・合唱団(ERATO WPCS-4715/7)
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メンテナンスで記事の更新ができなかったので2日分まとめて記載。3枚組なので連日で2枚。
最初期のカンタータ集だが,この時期の作品はなぜかよく聴く。コープマンは映像をよく目にするせいか,この盤の音のつくりも指揮ぶりそのままのような気がする。音が速いというか,ポンと出るような感じだ。私としては4番などはもう少し落ち着いた感じのほうが好みなのだが。
今回の発見は,150番の第5曲の三重唱はすばらしいということだ。短い楽曲だが,低音にのせて唱われるアルト,テノール,バスの響きは感動的だ。これが現存するバッハ最古のカンタータらしいが,こういう音楽を20才そこそこで書くというのは本当にすごいことだと思う。
コープマンのカンタータシリーズはERATOの国内盤を買っていたのだが,シリーズが中断されてしまって別レーベルからの輸入盤のみになってしまったのが誤算だった。全集できれいに揃えたかったのだが・・・

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December 08, 2004

今日の通勤CD(バッハ・BWV21ほか)

バッハ・カンタータ21,42番/ヘレヴェッヘ/シャペル・ロワイヤル&コレギウム・ヴォカーレ(harmonia mundi france HMX 2908116.18)
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3枚組ボックスの中の一枚。名曲21番を聴きたくて選択。
この盤は珍しくkaorina。が買ったものなので,今までほとんど聴いていなかった。ヘレヴェッヘの演奏は前半ゆったり目のテンポでなかなか良い感じ。第2部はテキストの内容に合わせているのだろうか,少し快活さを増して生き生きとしてくる。終曲のフーガはライプツィヒ版のソロから始まるバージョン。前半のテンポ設定を考えるとかなり速めの印象だ。こういう作り方は苦悩から喜びへ,という西洋の模範的な思考過程(と言っていいのか?)を表現するには適していると思う。
42番は我が家にはこのCDしかない。印象が薄いのだが,確かに地味かもしれない。きっとこういう曲は何度も聴くとじわじわくるのだろう。冒頭のシンフォニアがかなり長く,「声はいつ入ってくるの?」と思ってしまう。余談だが,解説書内で記載されている番号が間違っていてけっこう参った。やっぱり地味なのか?(笑)

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December 07, 2004

今日の通勤CD(バッハ・トリオソナタ集)

バッハ・トリオソナタ集/アラン(ERATO WPCC-4482)
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たまにはオルガン曲を,ということで選択。
解説書によるとバッハのトリオソナタで本当に3つの楽器を要求するのは2曲しか現存しないようだが,チェンバロと独奏楽器の組み合わせ(トリオソナタとはいっていないが,実質チェンバロが2つの声部を担当)はもう少々ある。さらに一人でトリオを完結させてしまうというのがこの曲集だ。
オルガンはもちろん弾けないのでよくわからないが,3声部を一人で弾くというのだから,このトリオソナタというのはとんでもなく難しいのだろう。オーケストラで弾いていると普段から低音が先に出て,そこに高音が乗るように演奏するようにしており,実際その方が音の座りがいいのだが,この盤の録音では低音のほうが後から出る場面が多々みられる。低音部はペダルだからテクニックの難度が非常に高いことに加え,発音のタイムラグもありそうだと思うのだが,バッハ自身は弾きこなしていたのだろうか。まあ,バッハはオルガンの名手だったそうだから,きっと弾きこなしていたのだろう。
曲の構造について,教会ソナタのように「緩-急-緩-急」となっているのかと思うと,一曲を除いて「急-緩-急」という古典派のソナタと同じ構造になっている。こういうところがバッハが音楽の父と称される所以なのかと思う。

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December 06, 2004

今日の通勤CD(バッハ・BWV11ほか)

バッハ・カンタータ11,37,43,128番/ガーディナー/モンテヴェルディ合唱団/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(ARCHIV 463 583-2)
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昇天節用カンタータ集。ドイツでは国民の祭日だという,キリストの昇天を祝う日のための作品ということで,どの曲も「喜び」というような,肯定的な感情が満ちていると思う。
最近は43番が特に気に入っている。第1曲のゆったりした序奏から,心が浮き立つような弦楽器の動きにのせてトランペットの主題が開始し,全合唱が"Gott fahret auf mit Jauchzen"と飛び込んでくるところが最高に気に入っている。それぞれのアリアもすばらしいし,文句なしにお勧めしたい名曲だ。
11番は「昇天節オラトリオ」として,クリスマス・オラトリオ,復活節オラトリオと並ぶ時期に作曲された名曲だから,言うに及ばず。福音史家の語りがレチタティーヴォとして入っているのが普通のカンタータと多少異なり,受難曲などに通じる雰囲気もある。合唱では華やかな冒頭曲と終曲が印象に残るが,中間のコラールもすばらしい。レチタティーヴォとアリアも含め,要するに全部いいということだ。
37番,128番ももちろんすばらしい。このCDに収録されている曲を聴くと,元気になるような気がする。キリスト教を信仰していなくても,バッハの音楽には普遍的な力があると思う。しんいちろうさんも書いているが,こういうことが「いつも心にバッハを」ということだろう。

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December 03, 2004

今日の通勤CD(シューマン・Sym.1,3)

シューマン・交響曲1,3番/シャイー/ウィーン響/デ・ブルゴス/トリノ放送響(LIVE CLASSIC LCB-127)
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2枚組の全集。全部違う指揮者の演奏が収録されている。
以前弥生で3番「ライン」を演奏したのだが,ラインというとどうもきれいなメロディーが強調されて,自分には合わない曲だと思っていた。しかし,いざ練習を始めてみるとなかなか楽しいではないか。特に2ndVnはキザミ&合いの手満載だし,CDなどで聴くような美しいもの以外の要素もたくさんある。そうなると美しいだけでない演奏が聴きたくなるもので,そんなとき,kaorina。が引っ張り出してきたのがこのCDだ。全集なのに安かったからという理由だけで買って,その後ほったらかしにしていたらしい。
指揮者もなんだか聞いたことない名前だし,あまり期待しないで聴いてみると,これがなかなかいい。初っ端からティンパニが「ズドン!!」と入って驚かされ,その後も弦楽器はマジメに激しくキザんでいるし,管楽器も吹きまくっている,ライン川濁流下り風の演奏。そんなわけで「弥生もこんなふうにやるぞー!」と張り切った次第。あまりに良かったので貸し出したところ,えらく気に入ったビオラのY氏はわざわざ鳥取の知人に見つけてもらって手に入れたそうだ。「駅売りCD侮るべからず」だ。
デ・ブルゴスはこの演奏だけを聴くと「もしかしてすごい人?」と思ってしまう。いろいろ情報を得たところでは,どこかのオケをメチャメチャにしたとかいう悪い評価も目にするが,結局は可もなく不可もなく,といったところのようだ。
ちなみに他の指揮者による他の番号の演奏もなかなかの好演です。

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December 01, 2004

今日の通勤CD(ショスタコーヴィチ・SQ.3,6)

ショスタコーヴィチ・弦楽四重奏曲3,6番/ベートーヴェン四重奏団(CONSONANCE 81-3007)
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しんいちろうさんのblogでショスタコーヴィチのカルテットが紹介されていたので,あやかり聴きといった感じで選択。
6番はどんな出だしか歌ってみろと言われるとちょっと考えてしまうような,私にとって少々印象が薄い曲であったが,最近意識して聴くようになったので今は大丈夫になった。さて,この曲は全曲の最初と最後に同じ音の連続が配置されていたり,どの楽章も長三度の下降音型で閉じられるところが特徴的だ。言ってみれば最初に物語の本の表紙を開くところから始まり,4つのお話がそれぞれ「ちゃんちゃん」という感じで閉じられ,全部の話が終わると本の裏表紙を閉じる,という雰囲気だ。4楽章で胸をかきむしられるような響きとメロディの部分があって,聴くたびに涙ぐんでしまうほどなのだが,この部分にはものすごく強烈な思いが込められているように感じる。作曲時期から「人間はなぜいつも幻滅してまうのか」という問いが背景にあると解説しているものもあるが,ショスタコーヴィチにはどんな考えがあったのだろうか。
3番のほうは説明することもないほどの名曲だが,この演奏では冒頭がかなり攻撃的だったり,全体に尖った印象の演奏で,曲の雰囲気がよく出ているように感じる。以前から思っていることなのだが,ショスタコーヴィチの音楽は「皮を剥がれてむき出しになった神経を直に触られる」感じなので,私はこういう演奏を好んでいる。逆に言えば,神経が疲れているときはちょっときついということになるので,こういうのを聴けるときは心に余裕があるということだろう。

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弥生練習(11/28)

今回の出席状況(Vn1:5,Vn2:3,Va:2,Vc:1,Cb:3,Fl:3,Ob:1,Cl:3,Fg:2,Hr:4,Tp:2,Tb:0,Tu:0,Perc:1)
伊福部はだいぶそれらしくなってきたが,まだまだの状態だ。本来は初合わせでこれくらいでないといけないと思うのだが。現状では音程と流れが悪いことが目立つ。1楽章の変拍子も慣れてきたとはいえ,躊躇しているような微妙なひっかかりがある。こういうのを感じさせずに音楽が流れるようにできないとまずい。
こうもりはとにかく音程がひどい。そして縦もあっていない。弦が弾けていないことに起因していると考えているが,つまり全然ダメだということだ。
ハイドンは相変わらず野暮ったい。そして荒っぽい。もう少し響きを大事にして,また,流れを良くしていかないとハイドンをやっている意味がない。「自己満足でやっているからいいんだ」と言うにしても,演奏会を開いて人に聴かせるのならもう少し何とかしないと失礼だと思う。
こうやって考えてみると,結局曲の勉強と個人練習が不足しているとしか言いようがない。一部の人はきちんとやっていることがわかるが,その割合をもっと高めないとダメだということだ。出席状況にそれが顕著に現れている。こんなことをいつまでもやっているなら,やめた方がいいんじゃないの?と言われても仕方ないと思う。今回は録音に成功したので,注意点を抽出する作業をして合宿までに周知したい。

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ダスビ練習(11/27)

交響曲のみの練習。そろそろ細部に手を付ける時期に来ているので,細かくチェックが入る。しかしこの時期になっても参加率があまり良くない。曲のせいなのか,団体が長く続いてきたせいなのか,緊張感が低下しているのかもしれない。
今回の練習では終楽章コーダのテンポ設定が予告なく大きく変わったが,ほとんどの人がそれに反応していたので破綻なく演奏された。こういうことができるうちは,まだまだ捨てたモノではないということだろう。弥生ではこうはいかないだろうな,と思うとなんとなく悲しい。

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ETC導入記

車にETCを導入した。高額ハイカが使用停止になってしまって以来導入を考えていたのだが,車載器の割引クーポンがあったので思い切って車載器を購入したのだ。公団の助成を受けられるとなお良かったのだが,ちょっと出遅れて間に合わなかったのと,いつあるかもわからない次の助成を待つのも面倒だったので,さっさと導入してしまった。今ならセットアップ料金がちょっとばかり安くなるキャンペーン中だったし。
もう一つの理由に,料金所の支払いで私はなぜか万札で支払う車の後ろに付くことが多いと感じていることがある。実際どれだけの人が万札で通行料金を支払っているのかわからないが(トリビアの種でやってもらいたいくらいだ),かなりの確率で前の車が万札で支払っている気がする。手際の良い収受員&運転手ならいいのだが,どちらかが手際の悪い時やどちらも手際の悪い場合はいつまでたっても進まない。そうなると気短な私は猛烈にイライラしてしまうのだ。
というようなことがあり,また,ETCを利用している知人も快適だと言っていたし,面白そうなのでここはひとつやってみようとなったわけだ。
機種は評判のいいPanasonicのCY-ET700Dにした。アンテナがセパレートで本体の設置場所の自由度が高いのと,音声案内があるところがいいらしい。クーポンのあったいつものカー用品店で購入してセットアップしてもらい,取り付け工賃(4~5千円)をケチって自分で取り付けをした。
オーディオは以前自分で社外品を取り付けたので,そこから電源を取ることにして,アンテナ線の取り回しだけが初体験だった。Aピラーの内装を取り外すのは簡単だったが,その下の内装(ダッシュボードの端の部分)を取り外すのに少々苦労した。外してしまえば後は楽なモノで,アンテナ線は完了。次は電源の接続だ。バックアップ電源,アクセサリー電源とアースを接続する。この機種では電源端子はギボシ端子になっているので,オーディオハーネスの分岐に接続すればいいと思っていたが,取り出してみるとアクセサリー電源の分岐がなかった。オーディオを取り付けたときにはちゃんと分岐があったと思ったのだが,もしかすると実家の車に取り付けたときだったかもしれない。しかたがないので分岐パーツを買って取り付けた。これで電源系も完了。外から見えない場所の方が盗難の可能性が幾分かは減るだろうということで,車載器本体はオーディオの下に取り付けることにした。
取り付けたら動作チェックしたいというのが人情というモノで,早速テストに向かう。料金が安く,なるべく車の出入りの少ない区間にしようと,近場で良さそうなところを選んで向かう。入り口はETC専用レーンがあったので,まずは指定の時速20km程度で進入。後ろから他車が付いてきたので,エラーが出ないことを祈りつつ進むと,確認の電子音と共にゲートが開き,無事通過。まずは一安心。
一区間だけ走行して出口へ。通信が正常なことは入り口で確認できたので,今度は時速30kmくらいで通過できるかやってみようと思ったのだが,ETC/一般混在レーンだったので前に一般車が入ってしまい,ノンストップ通過ができなかった。それでもちゃんと通信し,電子音と「料金は○○円です」という音声案内を確認した。ところが,前の車が万札で支払っていたのだ!ETCにしてもこのザマか。つくづくこういう運なのかと思った。
ETC利用者に混在レーンは評判が悪いが,確かにこれではメリットがほとんどない。ETC利用率が低いうちはこの状況は仕方ないと思うが,利用率が上がってから専用レーンを増やすのか,専用レーンを増やすことで利用率を上げるインセンティブとするのか,これは難しい問題だと思う。高額ハイカ廃止&ETC前払い割引導入というのは結構利用率アップに効いている気がするが,専用レーンを増やすことはもっと効果があるような気がする。まあ,ETCを導入すること自体への是非もあるから,そう簡単にはいかないのかもしれないが,導入を決めて進めているのだからもっと積極的にやっても良いのではないかと思う。混在レーンと専用レーンの切り替えはそんなに難しいことではないわけだし。
やってみた感想は,やはり快適だということ。通行券の受け取りや料金支払いにいちいち停車しなくて良いというのは,私のように重くて加速の鈍い車を運転している人間にとってはありがたい。燃費にもわずかながら貢献するかもしれない。そして取り付け作業は面白かった。これは嫌いな人にはお勧めしないが,こういう作業が好きな人は自分で取り付けるのも楽しいと思う。工賃もかからず,車の内装や電装系の一部も理解できるというのはお得だ。

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