今日の通勤CD(ベートーヴェン・交響曲5,6番)
ベートーヴェン交響曲5,6番/フルトヴェングラー/ベルリンフィル(MUSIC&ARTS CD-824)
市原フィルのエキストラを引き受けることになったので選択(プログラムに6番が含まれる)。2枚組のうちの1枚。(もう1枚には4,7番を収録)
どれも1943年の放送録音で音質はひどく悪い。以前泊まり込みの研修に行ったのだが,その際,夜はあまりに暇だったため図書室にあった「フルトヴェングラー」という本を読んだ。その中に「フルトヴェングラーのベートーヴェンは戦時中の録音が良い」という趣旨の記述を読んで買ってみたのだ。そんなわけなので,我が家にはフルトヴェングラーのベートーヴェンはこんなのしかない。そういうわけなので,私の演奏面でのフルトヴェングラー観はこの盤が基準だ。いいのだろうか?
最近シェルヘンやガーディナーばかり聴いているので,こういう解釈はとても新鮮に聞こえる。スコアに囚われない緩急自在な演奏や,フェルマータの手前や終結部では止まりそうに遅くなるなど,ちょっと前なら当たり前だったと思われる解釈が満載。久しぶりに聴いたので面白かった。市原フィルでは絶対にこういう演奏はしないだろう。
実際6番冒頭部分のスコアには最後の2分音符にフェルマータが付いているだけで,リタルダンドなんかは何も書いていないが,こういう演奏しか聴いていない人は,相当リタルダンドするものだと思っても仕方ないだろうと思う。スコアより耳で聴いた記憶や印象で演奏する人は多いので,そのへんがアマオケの難しいところだと思う。でもなるべくスコアも見て,「名演奏」の解釈に固執しないようにしてほしいものだ。
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